日銀ネット等におけるISO20022に関する取り組み


日本銀行では、決済システムの安定性および効率性の観点から、日本銀行金融ネットワークシステム(以下、日銀ネット)および本邦の金融システムにおけるISO20022対応を円滑に進めることを目的として、下記のような取り組みを進めています。

(1)日銀ネット等におけるISO20022対応方針の策定とシステム対応

日銀ネットでは、2015年より外国為替円決済および海外預り金関係の当座勘定取引において、ISO20022電文1を採用しています。2020年以降、銀行間の国際送金で使用される通信ネットワーク(Swiftネットワーク)や各国の決済システムにおいてISO20022電文の導入が本格化しました。グローバルとの相互運用性を確保する観点から、2025年11月には国際的な電文ガイドライン(CBPR+ガイドライン等2)に準拠したISO20022電文(2019年バージョン)への改訂が実施されました。

その後、国際的な電文ガイドラインでは、採用するISO20022電文のバージョンを年次で改訂することについて国際的な合意が形成されました。この合意を踏まえ、日銀ネットや本邦における国際送金対応については、日本銀行、外国為替円決済制度を所管する全国銀行協会および日銀ネット利用先金融機関で連携しながら、毎年改訂されるガイドラインの内容を精査したうえで、グローバルな相互運用性の確保、本邦におけるニーズ、対応に要するコストとメリット等を総合的に勘案しつつ適切な取組みを図っていく方針です3。仮にCBPR+ガイドラインの改訂内容を日銀ネットに反映させる場合、原則として、CBPR+ガイドラインに基づくスケジュール(改訂前年の秋にガイドライン公表、改訂年の秋に適用開始)や当該ガイドラインの内容を基に、対応を進めます4

こうした対応の流れを表したスケジュールのイメージは、下記のとおりです5

図:スケジュールのイメージ

ISO20022対応スケジュールのグラフ

上記方針に基づき、日本銀行では、日銀ネットにおけるISO20022対応のシステム開発を進めるとともに、利用先金融機関が円滑にシステム開発を進められるよう、全国銀行協会と連携して各種試験の機会を提供していきます。

(2)ISO20022対応に関する実務的な論点を協議する会合の運営等

日本銀行では、本邦におけるISO20022対応の円滑な実現を支援するため、「日銀ネットの有効活用に向けた協議会」(以下、協議会6)の下部組織である「ISO20022ワーキンググループ」を2022年に設立し、運営しています。このワーキンググループでは、ISO20022電文の改訂に伴う対応状況や実務的な論点、進捗状況などの情報を共有し、検討結果を協議会に報告しています。また、日本銀行では、ISO20022ワーキンググループに参加する金融機関の対応状況をモニタリングするとともに、必要に応じて支援を行っています。加えて、日本国内におけるISO20022対応を円滑に進めるため、2025年11月には、ITベンダーを対象とした説明会7を新設し、日本銀行から関連情報を提供しています。

(3)国際的な議論形成への貢献と情報収集

日本銀行は、国際的な電文ガイドラインの策定8や、BIS決済・市場インフラ委員会(CPMI)が公表した「ISO 20022の仕様に関する共通要件」の維持管理9 にも関与し、グローバルな議論を牽引するとともに、日本国内のニーズや取り組み状況を適切に反映させる役割を担っています。加えて、各国の中央銀行や決済システム運営者との定期的な意見交換や、各種国際会議への参加を通じて、グローバルなISO20022対応の進展状況に関する情報を収集し、それを国内の関係者に適切に共有しています。

お問い合わせ先

日本銀行におけるISO20022対応に関するご質問がある場合は、以下の窓口までお問い合わせください。

お問い合わせ先

1 ISO20022は、金融サービスにおける情報伝送時に使用されるメッセージフォーマットのルールや手続きを規定した国際規格です。この規格に基づき開発されたISO20022電文は、従来の電文とは異なり、構造化されたデータの利用やデータ量の増加を背景として、@金融機関や国際送金におけるSTP(Straight-Through Processing)の推進、Aマネーロンダリングおよびテロ資金供与対策(AML/CFT対応)の効率化、B対顧客サービスの高付加価値化等が期待されています。2010年代以降、各国決済システム等で、ISO20022電文を採用する取り組みが拡がっています。

2 国際的な電文ガイドラインとして、Swiftネットワークが使用するCBPR+(Cross-Border Payments and Reporting Plus)ガイドラインや、各国の決済システムが使用するHVPS+(High Value Payments Systems Plus)ガイドラインなどがあります。近年では、これらのガイドライン間で相互運用性を確保するために、ガイドラインの調和が図られています。

3 詳細については、「2026年3月・日銀ネットの有効活用に向けた協議会・別紙(2)ISO20022WGにおける議論の概要について」(https://www5.boj.or.jp/bojnet/newbojnet/newnet2603a3.pdf)をご覧ください。

4 従来の日銀ネットでのISO20022電文対応に比べ、今後はISO20022電文が短期間で定期的に改訂される可能性が高いことを鑑み、日本銀行が利用先金融機関に対して提供する各種試験の短縮化、外為円決済取引や海外預り金取引に関する日銀ネット端末における入力画面機能の廃止、利用先金融機関への情報提供の早期化等の措置を講じ、今後の改訂に向けた円滑な業務運営に努めつつ、利用先金融機関における効率的なシステム対応を後押ししてまいります。

5 メッセージフォーマット仕様書とは、日銀ネットで利用するISO20022電文等の詳細な仕様を纏めたものです。また、同仕様書の公表に先駆けて、CBPR+ガイドラインからの変更箇所等の概要を取り纏めた業務要件書を開示します。

6 詳細については、「日銀ネットの有効活用に向けた協議会」(https://www.boj.or.jp/paym/bojnet/net_forum/index.htm)をご覧ください。

7 本説明会は、ISO20022関連のシステム開発を行うITベンダーとの情報連携を強化することを目的に企画・開催しています。詳細については、「ISO20022対応にかかるITベンダー向け説明会への参加者の公募」(https://www5.boj.or.jp/bojnet/newbojnet/newnet2511a1.pdf)をご覧ください。

8 日本銀行は、HVPS+会合のメンバーとして、同ガイドラインの改訂に向けた作業等で貢献しています。また、CBPR+ガイドラインについては、参加メンバーである本邦金融機関と密に連携を図り、必要なコメントを発信しています。

9 ISO20022の仕様に関する共通要件は、ISO20022をグローバルで適切に活用し、データ入力内容の不一致や運用上の課題等を削減することを目的に、2023年に策定され、2026年に改訂されました。詳細については、日本銀行「BIS決済・市場インフラ委員会による改訂版報告書「クロスボーダー送金の改善のためのISO 20022の仕様にかかる共通要件」の公表について」(https://www.boj.or.jp/paym/intlact_pm/cpss/cpss260303a.htm)をご覧ください。